CROSS TALK 01
未来は私たちが拓いていく。 ITの最先端を往く DC推進部の4人。
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S.K.
デジタルクリエーション推進部 2017年入社 工学部電気電子工学科卒
AIチーム期待の若手メンバー。金融投資に関する予測モデルにオルタナティブデータの活用を目論み、奮闘中。
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Y.M.
デジタルクリエーション推進部 2014年入社 自然科学研究科 電気情報工学専攻修了
JASTEM開発、ベンダー出向などを経て2020年にデジタルクリエーション推進部へ。現在はAIチームでアプリ開発やAI予測モデルの構築に挑戦中。
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K.T.
デジタルクリエーション推進部 2014年入社 情報理工学部情報通信工学科卒
2018年のデジタルクリエーション推進部発足時からのメンバー。クラウドサービスのスペシャリストとして社内展開をリードしている。
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H.H.
デジタルクリエーション推進部 2013年入社 人文学部社会科学科卒
JASTEM開発などを経て2019年にデジタルクリエーション推進部へ。開発三部と兼務し、成果を実際の開発に活かしている。クラウドチーム。
進展著しい最新のIT技術を調査・研究し、 システム開発に応用する。
CHAPTER 01
S.K.
デジタルクリエーション推進部ってどんな経緯で生まれたんですか?
H.H.
技術革新が進むなかで、システム会社としてその動向を把握し、今後のシステム開発に活用するための調査・研究部隊として発足したのが発端ですね。
Y.M.
私がDC推進部に入ったころはテーマが絞られてきて、現在はクラウドとAIが2大テーマになっています。少人数とはいえ、システム会社でこうした最先端研究の専門チームを持っているのはとても珍しいと思いますよ。
K.T.
共通の目標は農林中央金庫グループとしての新しい価値提供に貢献すること。クラウドチームは、最新クラウドサービスの情報収集や社内展開、AIチームと連携したインフラ構築などを進めているところです。
H.H.
クラウドチームの特色は、全員が開発部兼務で、クラウドを活用したシステム構築の支援に携わっていることですね。私は開発三部を兼務しており、2018年にはそれまでオンプレミスで提供していたインフラをクラウドへ移行し、業界に先駆けて共通基盤インフラのクラウド化を実現しました。
K.T.
私はトレーディングシステムを担当しています。NICの場合、クラウドに関しては、もはや研究段階から実践段階へ移行しており、親和性の高いシステムからどんどんクラウド化を進めている状態。現在、全システムの40%ほどがクラウド化を実現しています。
Y.M.
AIは、クラウドに比べるとまだ可能性を模索している段階かな。AIの恩恵を受けていくためには活用ノウハウの蓄積と、AIの根幹となる機械学習モデルを作る経験が必要。現在は金庫のビジネス部門や当社内でどのように活用できるのかのアイデアを募ったり、機械学習モデルを構築したり、内製したアプリやAI製品のトライアルなど幅広く取り組んでいるところです。
S.K.
AIモデルを活用して分析や予測を行うような長いスパンの研究を進める一方で、ChatGPTのような即座に有用と判断できるテーマに関しては、スピード感をもってアプリを構築するなど、研究と開発を同時に進めている状態ですね。
金融投資に関するAI予測モデルに オルタナティブデータを採用。
CHAPTER 02
H.H.
AIチームのホットな話題といえば何?
Y.M.
やはり、金融投資に関するAI予測モデルの構築でしょうね。AIが正確かつ迅速に予測できれば、農林中央金庫の投資に大きく貢献できます。市場運用資産規模60兆円ともいわれる農林中央金庫は世界のビッグプレイヤー。その投資行動に資するとなれば、影響は計り知れません。
K.T.
問題はAIに何を学習させるか、ですね。機械学習モデルの品質が、AI予測の精度を左右しますから。
S.K.
そこで私が挑戦しているのが、AI予測へのオルタナティブデータの活用です。最近の大規模言語モデルの発展で文字データが収集しやすくなりましたので、中央銀行の声明や決算説明会の発表内容などのデータを学習モデルに組み込めるのではないかと、現在、対象データの収集と選定を進めています。
H.H.
スピーディーなAIアプリの開発では、最近「文字起こしアプリ」が社内会議の議事録づくりなどに利用されていますね。
Y.M.
ほかにもAIによるコード生成サービスのトライアルなど、いろいろあります。実際に社内や農林中央金庫のビジネスサイドの方に使ってもらい、意見をいただきながら継続的に改善を試みてビジネス活用の効果を高めています。
最新技術を一般技術として、 社内に浸透させていく。
CHAPTER 03
H.H.
とはいえ、金融機関のシステム会社ということもあって、最新技術であればなんでも大丈夫、というわけにはいきません。2019年の基盤システムのクラウド化でも、とくにセキュリティ面に関して「本当に大丈夫か」という慎重論が根強くありました。
K.T.
クラウド化を進めていくには、まず社員にクラウドのことをよく理解してもらう必要がある。そこでクラウド技術を社内で浸透させるために、研修メニューを作成し社員全員への技術研修の実施や、私たちが実際の開発業務に参画し、クラウド技術の採用検討や開発プロジェクト内で啓発活動なども行いました。
S.K.
研修も初級編、中級編に分かれていて、テキストも用意されていたので、わかりやすくてとても役に立ちましたよ。
H.H.
それはよかった。クラウドにしてもAIにしても、ただ先端技術を調査、研究するだけではだめで、それを一般技術として社内に浸透させ、ビジネスに応用させていかなくてはいけません。そこがいちばん苦労するところです。
Y.M.
ビジネスニーズに応えられるAIの実現は一筋縄ではいかないところがあって、前例のないことにチャレンジする難しさや試行錯誤はつきものです。ただ、さまざまな知見を得ることができますし、課題解決への道筋を見つけたときの達成感は大きい。
S.K.
いまは左手でwebアプリを作りながら右手でAIモデルを作るといった状態ですが、非常に楽しめています。最新技術の研究から実践までを手がけられる環境って、なかなかないですから。
目指すゴールはクラウドネイティブ、 AIスペシャリスト。
CHAPTER 04
K.T.
みんなの今後の目標は?
H.H.
いずれは開発部に戻り、クラウドチームでの経験を活かして、システム開発の生産性向上や技術導入の支援に取り組んでいきたいと思っています。研究はビジネスに反映して、ようやくゴールですから。
S.K.
世の中的にもAIを活用する領域が加速度的に増えていくと予想されます。その中で会社をリードするようなAIのスペシャリストになれればと考えています。AIを用いて、業務の効率化を推し進めるような「守りの仕事」と、金融のプロでも気が付かなかったインサイトを得られるAIモデルの構築などの「攻めの仕事」の両輪を進めていきたいですね。
Y.M.
AIで「今までできなかったことができる」という状態にしていきたい。スキル習得や社内の環境整備など、必要なことはたくさんありますが、農林中央金庫職員の方々と協業しながら一歩ずつ着実に進めていきたいです。
K.T.
クラウドの導入については、社内で一般的技術として利用できるフェーズには進んできました。しかしまだ、クラウド技術をフル活用したシステムの構築を行うまでには至っていません。最初からクラウドでアプリケーションを実行したり、ソフトウェアを開発したりすることを前提としたクラウドネイティブと呼ばれる次元に、NICを引っぱっていきたいと思っています。
H.H.
本日はDC推進部の概略を紹介しただけですが、NICには新しい技術にチャレンジする環境やマインドが整っています。
Y.M.
農林中央金庫との距離が近く、ビジネスに関する知見や経験が得やすいことも、NICの強みですね。
S.K.
私は2年ほど農林中央金庫のリスク評価部に出向させてもらいました。その経験がAI予測モデルの構築にとても役立っています。こうしたキャリアパスを選択できるのもNICの特色です。
K.T.
まだまだ紹介したいことはたくさんありますが、この座談会でNICの魅力の一端を感じていただければうれしいですね。